歯科知識

義歯(入れ歯)、差し歯、ブリッジ

義歯(入れ歯)について

口の中の柔らかい粘膜の上に硬い入れ歯を入れて食事をするためには、何度も入れ歯を調整することと、患者さんご自身の入れ歯への練習(慣れ)も必要です。
しかしながら痛いけど慣れるだろうと無理して使っていると、歯肉に傷がつき、入れ歯を調整してもなかなか傷が治らないことがあります。

強く当たる場合は、1日のうち入れ歯を外している時間を長く取って歯肉を休ませてください。

ただし何日間も入れ歯を使わないと入らなくなりますので、1日のうち何度かは入れたり外したりして練習してみてください。

着脱: 入れ歯を入れる時は、水で一度ぬらし、最初は鏡の前で確認しながら、手指で丁寧に入れてください。

ずれた位置で咬むと壊れますので、着脱に慣れてからも咬んで入れないようお願いします。
外す時は、原則として両手の指でできるだけ左右同時に外してください。
しかしながら、お口の中の状態や入れ歯の設計によって、左を先に外す、あるいは右を先に外すなど、主治医の先生のご指示があった場合は、その通りに外してください。

バネの細い部分をこじって外すとバネが変形することがありますので、ゆっくり外してください。

食事・発声練習: 最初のうちは、柔らかい物や小さく切った物を少しずつ、奥歯の方でできるだけ左右均等に咬んでください。

徐々に固く大きい物へと練習してください。
最初のうちは、話しづらく、呂律が回らないことがありますが、練習すれば明瞭な発音となります。
大きな入れ歯の場合は食事・発音とも慣れるまで数ヶ月かかることがあります。

なおチューインガムは、入れ歯に付着して取れなくなりますので、入れ歯専用のガム以外は、咬まないようにしてください。

清掃: 毎食後に入れ歯を外し、口の中のご自分の歯は歯ブラシで、入れ歯は入れ歯用のブラシを用いて清掃してください。

入れ歯のピンク色のプラスティック類似の部分を荒く磨くとすり減る場合がありますのでご注意ください。
また熱湯による消毒はできませんが、入れ歯洗浄剤を使うことによって、入れ歯の消毒ができるとともに、色素の沈着や特有のにおいが減少します。

保管: 就寝時に歯ぎしりや食いしばりの癖の無い場合は、入れ歯を外してコップなどに水をいれて漬けておき、歯肉やバネのかかっている歯を休ませてください。

カラカラに乾燥すると入れ歯が変形することがあります。
朝最初に入れ歯を入れる時は、かなりきつい感じや当たりが生じることがありますが、徐々に馴染んできます。
特に小さい入れ歯を装着したままで就寝する場合は、間違って飲み込む可能性がありますのでご注意ください。

入れ歯のバネをペンチで曲げたり、当たるところをヤスリで削ったりしないでください。
硬いものの上に落としたり、火に近づけたりしないでください。
顎の骨や歯肉の形は、少しずつ変化しますので、それにあわせて入れ歯も調整する必要があり、最低でも半年に1度は定期検査を受けてください。

 柔らかい入れ歯について: 通常の入れ歯の歯肉に当たる面を、若干柔らかい素材で裏打ちしてあります。

そのため咬み応えが良いのですが、歯肉よりは堅いですからやはり当たりが生じますので、繰り返しての調整と慣れるための練習が必要です。
堅い部分を薄くして柔らかい裏打ち材に替えておりますことから、強度的に弱くなり、ヒビが入ったり割れたりする場合もありますので、その際には修理が必要となります。

清掃: 堅い素材と違って柔らかい裏打ち材は汚れを吸着しやすいので、頻繁な清掃が必要です。

しかしながら堅い入れ歯の部分と柔らかい裏打ちの部分との境目が剥離しやすいので、入れ歯用のブラシを用いて清掃される場合でも、力を入れてガシガシ清掃しないようにお願いいたします。
入れ歯洗浄剤については、専用のものが用意されている場合もありますので、主治医の先生にご相談ください。

その他の注意点は、通常の入れ歯と同じです。

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